みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

探偵小説シンポジウム

●先日、旧江戸川乱歩邸のある立教大学池袋キャンパスで、「雑誌『宝石』と戦後日本の探偵小説」という公開シンポジウムがありました。なお、宝石は、太平洋戦争敗戦の翌年に創刊されたミステリ雑誌です。 ●「本格探偵(推理)小説」という言葉は知っていまし…

マジパンづくり

●マジパンとは、パンにあらず。では、なんぞや?すなわち、ドイツの伝統菓子であります。アーモンド粉末、砂糖、卵白などを混ぜてかためたもの。ケーキのうえにのっている……あまりおいしくない……人形菓子がそれにあたります。 ●先日、思いがけず、調理専門学…

狭山 de 妖怪展

●狭山市立博物館で開催中の「狭山 de 妖怪展」にいってきました。「百鬼夜行絵巻(ひゃっきやぎょうえまき)」に登場する付喪神(つくもがみ)とともに、博物館所蔵の古道具を紹介するという企画展。地方博物館がひねり出した苦肉の策と見受けましたが……なか…

夏休みの都内観光

●先日、「伝統工芸青山スクエア」という港区の伝統工芸館で、甲州印伝(こうしゅういんでん)づくりを体験してきました。鹿革に更紗(さらさ)模様づけをし、それを印鑑ケースにしたてる工芸プログラムです。 ●印伝といえばうるし塗りが有名ですが、その他に…

茶臼岳とトンボの話

●猛暑の東京を抜けだし、栃木県にある「茶臼岳(ちゃうすだけ)」にいってきました。「九尾の狐」伝説で知られる殺生石や、弓の達人とされる那須与一ゆかりの那須温泉神社といった観光スポットが点在するエリアの主峰です。 ●9合目までショートカットできる…

ゆめパのじかん

●「ゆめパのじかん」というドキュメンタリー映画を見てきました。「川崎市子ども夢パーク」を題材にした作品で、約1万㎡の工場跡地に建設された児童開放施設に通う子どもたちが主人公です。 ●そこには緑豊かな公園をはじめ、音楽スタジオなどの文化活動室が…

首都圏外郭放水路

●首都圏の洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路が「首都圏外郭放水路」です。この放水路が活躍するのはゲリラ豪雨や台風の際で、2002年から一部供用を開始し、年に5~7回程度活躍してきました。 ●使用されていない平常時は、地下の調圧水…

谷川岳ハイキング

●日本三大岩場の一つに数えられる「谷川岳(たにがわだけ)」にいってきました。ロッククライミングで転落死する人が多い山ですけれども……初心者の楽しめる登山コースもあって、非常に人気の高い名峰です。 ●私たち夫婦は、ロープウェイで「天神平」というと…

抽象彫刻づくり

●千葉市美術館で開催された抽象彫刻のワークショップに参加してきました。 ●同美術館内には、昭和2年に建てられたネオ・ルネッサンス様式の旧川崎銀行が保存されており、現在も美術館ホールとして利用されています。今回のプログラムは、このホールの床や壁…

不思議な木

●玄関前や塀ぞいにトコロせましと置かれた鉢植えは、下町風情の一つ。近所のお宅でも、道路わきにさまざまな草木がならべられています。今時分は新緑があざやか。 ●さて、とあるお宅の鉢植えには、2階の高さにもおよぶ大きなビワの木があります。で、特筆す…

どきどきリニア館見学

●先日、山梨県を旅行した際、都留(つる)市にあるリニア見学センターにも足をのばしました。超電導リニアの走行試験が見られる日本で唯一の施設です。ただし、私たち夫婦が訪れた日はリニア走行がなく、そのかわりに走行試験車両の実物展示やパネル解説、体…

甲斐善光寺のご開帳

●長野県の善光寺は、「信仰を問わずに老若男女を救う」といわれる無宗派の古刹。インド発・百済経由で渡ってきたとされるご本尊は、住職ですら見られない秘仏中の秘仏です。その身代わりとしてつくられた「前立本尊(まえだちほんぞん)」が、ただ今公開中。…

埼玉武術英名録展

●埼玉県立歴史と民俗の博物館で「埼玉武術英名録」展を見てきました。剣術や柔術が広く親しまれてきた埼玉県にゆかりある武術諸流派を紹介する企画展です。 ●ところで、1880年代、イギリスの「オックスフォード英英辞典」に初めて掲載された日本語をごぞ…

車いすラグビーの話

●車いすラグビー体験講座に参加してきました。車いすラグビーとは、1970年代後半にカナダで考案された障害者向けのスポーツです。 ●従来のラグビーとの類似点は、オフェンスとディフェンスの役割分担があったり、頑丈なフレームを持った車いすで強烈なぶ…

和菓子づくり体験

●和菓子づくり体験を、浅草で受講してきました。 ●水分量の多い和菓子は、生菓子(なまがし)と呼ばれます。また、あんこやモチ粉を練りあげて、季節のおもむきを味や形に込めた生菓子を「上生菓子(じょうなまがし)」といいます。今回作ったのは「梅の花」…

お歯黒体験講座

●気象庁本庁の1階にある港区立みなと科学館で、「お歯黒(はぐろ)体験講座」を受講してきました。お歯黒の歴史を学んだり、実物をサメの歯に塗ってみるという「化粧展」関連のイベントです。 ●お歯黒の起源は不明ですが、魏志倭人伝中には「倭国より南方4…

北区飛鳥山博物館の話

●冬の風に逆らって自転車をこぎこぎ、北区飛鳥山博物館で開催中の「JOMON土器 VS YAYOI土器」を見てきました。区内で出土した縄文土器と弥生土器を比較展示する、考古学系の催しです。 ●展示数14点という小規模な企画ながら、なかなかこった内…

茂林寺参拝

●日本人が好きな恩返し系昔話の一つである「ぶんぶく茶釜」の縁起は、群馬県館林市の茂林寺(もりんじ)。念願かなって、ドライブがてらに寄ることができました。 ●ウワサどおり、境内はタヌキの置き物がひしめき合っていました。妻と一緒に「どのタヌキが一…

愛妻家の聖地と大噴火

●群馬県西端に位置する嬬恋(つまごい)村の地名は、ヤマトタケルが亡き妻をしのんで「わが妻が恋しい」と嘆いたという故事に由来するそうです。最近は、愛妻家の聖地として「愛妻スポットスタンプウォーク」などのイベントを実施中。 ●恐妻家……もとい、愛妻…

美男におわす展

●このところ、妻が疲れぎみだったので、さいたま市にある日帰り天然温泉でリフレッシュしてきました。そのついでに、埼玉県立近代美術館で開催中の「美男におわす」展にも立ち寄りました。 ●同展は、美男子を描いた浮世絵・日本画・マンガ・挿絵などを、ズラ…

足尾環境学習センター見学

●先月、「墨の湯」で知られる大出館(おおいでかん)に宿泊しました。都内でもよく見かける茶色がかった「黒湯」とは異質の……真っ黒な温泉が湧出しているのは、日本でここだけとか。 ●さて、それはさておき、その道すがら足尾銅山に寄ってきました。足尾銅山…

ラジオ出演の話

●日本語教師に転職してからの2年弱をつづった自著『サムライ先生、日本語を教える』がキッカケとなり、ラジオの取材を受けました。私が出演したのは、NHKラジオ第一放送「マイあさ」という番組の「畠の知りたい聞きたい」というコーナー。 ●インタビュー…

旧柳生但馬守邸跡

●東京を歩いていると、思いがけない石碑にフッと出くわします。先日は、都営大江戸線若松河田駅から3分程度の路地裏で、「旧柳生但馬守邸跡」の石碑を発見しました。 ●柳生但馬守といえば、初代大目付として活躍した徳川家剣術指南役です。彼は政治家として…

諸星大二郎展

●三鷹市美術ギャラリーで開催中の「デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」を見てきました。諸星大二郎は、不気味な近未来の社会や、太古から息づく呪術的な世界などを独自のタッチで描くマンガ家です。 ●妻が大ファンなため、私も結構、諸星大二郎の…

尖石縄文考古館

●長野県茅野(ちの)市にある尖石(とがりいし)遺跡は、国宝に指定された土偶「縄文のビーナス」や「仮面の女神」で有名。個性豊かな土器類も数多く発見されており、それらをバーンと展示しているのが尖石縄文考古館です。かねてより訪れたかった博物館の一…

金山城跡散策

●金山城(かなやまじょう)は、群馬県太田市に築かれた難攻不落の名城。巨大な規模をほこった山城で、近年、その土塁や石垣が復元されました。「土造り」が多い関東ではめずらしい「石垣造り」の城として、独自の石積みなどがマニアを唸らせているのだとか。…

命と性のミュージアム

●群馬県をドライブしました。今回は、以前より気になっていた「命と性のミュージアム」を拝観。 ●ここは「性を通じて平和や愛を考え直す」といった趣旨のテーマパークです。性愛を見世物にした「秘宝館」の一種ながら、かなりメッセージ性の強い展示をしてお…

サムライ先生、日本語を教える

●私は3年ほど前に「発作的な転職」をしました。それから今日にいたるまで、日本語学校で教鞭をとっています。 ●ちなみに日本語学校とは、外国人や帰国子女に日本語を教える教育機関のこと。若いころは権威的なものへのアレルギーもあり、「警官と教師にだけ…

断捨離放出品

●コロナ禍による引きこもりの影響で、「断捨離(だんしゃり)」というブームが再燃しているのだとか。不用品を一掃することで、ストレスを解消するという……私からすると……実につまらない流行りなのですけれども、これにわが妻もドハマリ。ヒマだと人間、ロク…

越前奉書の話

●紙は植物繊維を貼りあわせたもので、布は植物繊維を織りあげたものです。ですから、両者は兄弟のような関係で、上質な紙は布に負けず劣らず柔軟で丈夫。 ●特に和紙は非常に頑丈であり、「紙子(かみこ)」という紙製の着物もあるくらいです。「紙を破れるも…