みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

足尾環境学習センター見学

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●先月、「墨の湯」で知られる大出館(おおいでかん)に宿泊しました。
都内でもよく見かける茶色がかった「黒湯」とは異質の……真っ黒な温泉が湧出しているのは、日本でここだけとか。

●さて、それはさておき、その道すがら足尾銅山に寄ってきました。
足尾銅山は、わが国における公害問題のさきがけです。
現在は、通洞坑などが見学できる産業遺産や、環境改善へのとり組みを紹介する施設などが点在しています。

●トロッコで通洞坑をめぐる足尾銅山観光に向かったものの、残念ながら緊急事態宣言の影響で閉館中でした。
そこで、足尾鉱毒や昨今の環境保全技術について学べる「足尾環境学習センター」に足を運びました。

●鉱石が豊富な足尾では、銅のみならず、鉄や水晶、方解石などもとれたらしい。
鉱毒事件をひき起こしたのは工場排水」と思い込んでいたのですが、実は酸性雨をもたらす排煙も元凶だったようです。

●足尾の緑化に尽力した立松和平(たてまつ わへい)は、私が敬愛する作家のひとり。
彼の生原稿も展示されていました。
そして、立松和平の直筆をプリントした「足尾に緑を育てる会」のTシャツを発見。
ブカブカのXLサイズしか残っていませんでしたけれども、強烈なグリーンの蛍光色にシビレて衝動買いしました。

●なお、足尾での具体的な緑化活動としては、砂防ダムを設けたり、土留工を施したりしたうえで植林を進めているとのこと。
その植林に参加できるイベントが、定期的に開催されているそうです。
春の植林では、急峻なハゲ山の高所と斜面の下部の作業場所を選べるみたい。

●荒涼とした山の勾配に立つのは、何だか面白そうです。
チャンスがあれば、温泉旅行のついでにまた寄りたいと思いました。

●見学後は、学習センターの横にある山道を10分程度ハイキング。
わが妻は、草木で見晴らしのきかなくなった展望階段を歩きつつ、「展望がきかぬだけ、緑が戻ったということですな」と深く感心していました。

●しかし「植樹イベントはメンドいから、私はいいッス」とも、つぶやいていました。