みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

2019-01-01から1年間の記事一覧

守貞謾稿の話

●「守貞謾稿(もりさだまんこう)」とは、江戸末期の庶民の暮らしを紹介した百科事典です。この書籍について勉強する講座が、近所の博物館で開催されました。 ●さて、著者の喜田川守貞は大阪で生まれ育ち、30歳を過ぎてから江戸で暮らした商人です。当時は…

一貫張りの話

●埼玉県小川町にある埼玉伝統工芸会館で「一貫張り(いっかんばり)」づくりを体験してきました。一貫張りとは、竹ざるや竹かごに和紙をはり、その上から柿シブやこんにゃくノリをぬった工芸品です。 ●漆(うるし)でコーティングされた高級紙細工が「一閑張…

埼玉の化石展

●先月、埼玉県立自然の博物館の「知って!埼玉 化石でたどる2000万年」展を見てきました。秩父が海だったころに生きていた史上最大のサメ「メガロドン」をはじめとし、県内外の化石や復元模型を一挙公開中。同館はちびっこをターゲットとした施設とおぼ…

フォトグラム体験

●横浜美術館のワークショップに参加して、「サイノアタイプ」……すなわち日光写真によるフォトグラムを学んできました。フォトグラムとは、カメラを使わずに、被写体を直接印画紙に置いて画像を焼きつける写真のことです。 ●サイノアタイプは「青写真」とも呼…

酒蔵映画館の話

●現代俳句の立役者である金子兜太(かねことうた)氏のドキュメンタリーを、埼玉県深谷市にある深谷シネマで見てきました。深谷シネマは、300年ほど続いた酒蔵を改築しためずらしいミニシアター。以前より、ぜひいってみたいと思っていました。 ●酒造跡地…

北武蔵野剣術物語展

●埼玉名刀展でおとずれた川越市立博物館を再訪しました。現在は、幕末の埼玉剣術界を紹介する「北武蔵野剣術物語」展を開催中。 ●「川越藩剣術師範となった神道無念流(しんどうむねんりゅう)の大川平兵衛(おおかわへいべい)を中心とする展覧会」と聞いて…

逆輸入のジャポニズム

●千葉市美術館で開催した「ミュシャと日本、日本とオルリク」展に足を運びました。妻が大好きなチェコの画家・ミュシャをはじめ、日本絵画に影響を受けたヨーロッパのアーティストたちを紹介した展覧会です。それにあわせて、ミュシャらに感化されたわが国の…

AI時代の武術

●汐見稔幸(しおみ としゆき)という教育学者の講演会にいってきました。テーマは、AI<人工知脳>時代の教育です。 ●もうじき、機械があらゆる職能や家事をやってくれる時代が来るでしょう。実際にコンビニエンスストアなどの接客業をはじめ、病院での診…

サムライ展

●両国にある江戸東京博物館で「サムライ~天下太平を支えた人びと~」展をみてきました。ざっくりいうと、サムライとは軍人のこと。そのサムライたちが、有史以来もっとも長く平和の続いた江戸時代を、どのように生きたかについて特集した企画展です。 ●幕末…

埼玉県名刀展の話

●門人がすすめてくれた日本刀展にいってきました。川越市立博物館と埼玉県刀剣保存協議会の蔵刀を一般公開する企画展で、期待以上に見ごたえがありました。 ●最初の展示品は、「三条吉家(さんじょうよしいえ)」の脇差。吉家は、お能にも登場する刀匠・三条…

彫刻家に学ぶ絵画

●高崎駅周辺には、市営美術館が2つもあります。今回は西口から徒歩3分ほどにある「高崎市美術館」に参上。同館は、絵画作品も積極的に発表する現代彫刻家4人の展覧会を開催中です。その一人である深井隆氏が講師のワークショップに参加してきました。 ●ク…

オーガニックの世界

●時どき足を運ぶ東中野のミニシアターで『お百姓さんになりたい』というドキュメンタリーをみてきました。埼玉県三芳町(みよしまち)にある明石(あかし)農園が実践している「自然栽培」をテーマにした映画です。 ●この農家では農薬はもちろんのこと、肥料…

ヒジャブ美人の話

●「シリア難民に日本語を教える」というプログラムに参加してきました。テロ事件などでしか知らなかった中東の人たちと実際にふれ合ったのは、今回が初めてです。「あいうえお」の練習を皮切りに、あいさつ、時間、曜日、体の各部位、家族の呼び方などをレク…

最新恐竜学2019

●子どもらが夏休み明けに提出する自由研究の二大テーマといえば、「昆虫」と「恐竜」でしょう。そのためか、この時期の博物館は、昆虫や恐竜の企画展が目白押しです。今夏は、国立科学博物館が「恐竜博2019」展を開催中。その監修者である真鍋真(まなべ…

木の葉化石園

●今夏の夫婦旅行は、栃木県にある塩原温泉を訪れました。テレビコマーシャルで一世をふうびした「ホテルニュー塩原」のある温泉郷です。思いのほかさびれていて、拍子抜けしました。 ●さて「夏場はぬる湯が一番のゼイタク」というのが、わが家のポリシーです…

石器づくりの話

●先日、新潟県の津南町(つなんまち)にある縄文体験施設「なじょもん」で、石器づくりの講習会に参加しました。北海道産の黒曜石を材料にして、石鏃(せきぞく)……つまり、石の矢じりをつくる実習です。 ●使用する道具は、鹿の角、スポンジ台、動物の皮、軍…

刀鍛冶の自転車店

●明治維新の後、刀や鉄砲をつくっていた職人の多くは、農具製造などに仕事をうつしました。多摩を拠点とした「乞田鍛冶(こったかじ)」の一派も、自転車の輸入販売や修理業に転身。その乞田鍛冶にクローズアップした特別展が、パルテノン多摩歴史ミュージア…

ラーメン好きのアニメーター

●アニメ制作会社が集中する杉並区には、「杉並アニメーションミュージアム」という博物館があります。同館の館長である鈴木伸一(すずきしんいち)氏の講演会が、先日開催されました。 ●鈴木氏はベテランのアニメーターで、藤子不二雄のマンガに登場する「ラ…

もの忘れ譚

●最近、もの忘れがひどくなりました。一時期は深刻に悩み、病院の検査を受けたこともあるほどです。その診断結果は「軽いウツ病ではないか?」とのこと。 ●ウツ病とは、ストレスなどで脳の働きがニブる病気です。ヤル気がなくなったり、もの忘れが激しくなっ…

初めての詩吟

●刀をかざして踊る「剣詩舞(けんしぶ)」を体験して以来、その伴奏となる「詩吟(しぎん)」に興味がありました。そしてつい先日、近所で詩吟の無料体験会が開かれたので、これ幸いと参加。 ●詩吟は、漢詩や和歌に「節調(せっちょう)」を加えて読みあげる…

バードカービング教室

●彩色をほどこした精巧なトリの彫刻を「バードカービング」といいます。そのルーツは、カモなどをおびき寄せる木製のオトリだそうです。仏像彫刻でも腕をふるった剣豪・宮本武蔵のごとく、「木像づくりでおのれの精神性を深めるのも一興かな?」と思い立って…

銅版画講座

●横浜美術館のワークショップ「1日体験銅版画」に参加してきました。同館は、いまだに開発の続くみなとみらいエリアにある大きな美術館。 ●ところでわが国の版画は、浮世絵などの「木版画」が主流です。しかし、ヨーロッパでは彫金技術を応用した「銅版画」…

要注意!野外の危険なもの展

●年を重ねると、足腰の疲労がなかなか回復しなくなります。そこで、この連休は秩父の温泉に足をのばしました。おかげで、ずいぶんとラクになったのですが……欲をかいて「埼玉県立自然の博物館」へも訪館。結局、さらに疲れがたまった次第です。 ●ところで同博…

へそまがり日本美術展

●府中市美術館で開催中の「へそまがり日本美術」展へいってきました。「キレイ」「リッパ」「ジョウズ」といった一般的な評価をはなれて……「ヘンテコ」とか「カワイイ」あるいは「キモチワルイ」といった趣向の絵画を集めた企画展です。小雨が降っていました…

みっか坊主日記とは

●「みっか坊主日記」とは、古流武術オタクの日常をつづるダイアリーであり、2006年にスタートしました。なお、私は現在、手裏剣(しゅりけん)術を表芸とする道場を開き、居合、中太刀、小太刀、十手、棒などの稽古に精進しています。研武塾(けんぶじゅ…