●時どき足を運ぶ東中野のミニシアターで『お百姓さんになりたい』というドキュメンタリーをみてきました。
埼玉県三芳町(みよしまち)にある明石(あかし)農園が実践している「自然栽培」をテーマにした映画です。
●この農家では農薬はもちろんのこと、肥料も使用しません。
落ち葉や刈り取った雑草などを堆肥にするのみで、あとは土中の微生物がつくり出す栄養素が農作物を育てています。
●ですからこの農法では、タネをまいて野菜を育てるよりも、作物を育てる土壌のコンディション調整のほうが重要かつ大変なのだそうです。
野菜のタネも、販売店で仕入れるのではなく、毎年、収穫物からとり分ける「自家採種」にこだわっているのだとか。
知っているようで知らないオーガニックの世界に感じ入りました。
●妻の父が、退職後に農業をはじめたこともあり、若いころとは農耕への認識がずいぶんと変わりました。
つまり、単なる肉体労働ではなく、自然に関する知識や経験を活かしながら、臨機応変に作業を進めなければならぬ「非常に知的な職業」というイメージが強くなっているのです。
この作品をとおし、その点を再確認。
●なお、上映後のトークイベントでは、監督の原村政樹氏らが「日本の農業と世界の農業」について熱く語りました。
化学肥料や遺伝子組み換え作物の問題点、それに対する各国の政策など、予定時間をすぎても話題はつきませんでした。
●ちなみに、原村監督は感情のおもむくままに話す人とおぼしく、次から次へとわき出す言葉に、前後の脈絡と言葉の滑舌が追いつかないご様子。
武術家でも、まま見かけるタイプでした。
●ともあれ、私の弟が農学者なので、機会があればぜひ意見を聞きたいものです。
けれど、彼の話も今ひとつ……つかみどころがないんだよなぁ。