みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

下町そぞろ歩き

●2月に入り、さすがに雪も降りましたが……今冬は例年にくらべてあたたかです。
そこで、フラッと柴又(しばまた)の帝釈天(たいしゃくてん)まで足をのばしました。

●妻のお目当ては参道名物の草団子、私は酒のつまみになるようなつくだ煮や漬物がターゲット。
なお、人出はまぁまぁながら、外国人観光客は意外と少なめでした。

帝釈天の御神水は、タマゴっぽい香りのする鉱泉です。
一口飲んで、無病息災を祈願。
毎度購入に迷ってしまう「寅さんお守り」は、結局今回もパスしました。

●ちょうど昼時だったので、天ぷらの老舗「大和屋」に入店。
ここのタレは非常に甘く、ころもはスナック菓子のような軽さです。

●しかし、特筆すべきは、間口の広いレトロな店内。
年季の入ったのれん越しに外を眺めていると、通行人もしみじみとした風景になります。
ガラス張りの現代的な店構えにはないおもむきなのです。
こういう東京特有の……いい意味で……しみったれた情緒って、ずいぶん稀有になった気がします。

●時間があったため、日暮里で途中下車し、「谷中ぎんざ」も散策。
この商店街は総菜屋が人気であり、メンチやコロッケを買うのにも大行列に並ばなくてはなりません。

●行列ぎらいの私は、それを横目にずんずんと先へ進みました。
そして「塚腰」という肉屋さんの前を通りがかった時、3千円近くもする自家製コンビーフを妻にねだられました。
大散財です。

●あぁ。
コロッケの行列に並んでおけばよかったな。