みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

四川料理の話

●日本語教師になって以来、外国人とのつき合いがずいぶん増えました。
先日も、元教え子と上野で会食。

●上野界隈は大混雑でした。
アメ横なんかは、年末の買い出しみたいな雰囲気で、一歩も進むことができません。
外国人が目立ったから……あれもインバウンドの影響なのでしょう。

●さて、予約してもらったお店は……あろうことか、四川料理でした。
中国人が美味しいという四川料理は……間違いなく……私にとって拷問です。
案の定……絶望的に激辛。

●ほとんどのメニューが真っ赤でした。
赤くない牛肉の炒めものに飛びついたところ、これまた痛辛。
青唐辛子を使った料理だったのです。

●食べなれない食材や味覚への挑戦は、好奇心を刺激されて楽しいもの。
しかし、中華料理や韓国料理など、アジアにはホットな料理が多すぎる。

●あんなに辛くて、健康への害はないのでしょうか?
インターネットで調べたら、四川省の平均寿命はのびているそうです。
ならば……とりあえず、命に別状はないのかも知れません。

●辛味もうまみの一つであります。
そう自分にいい聞かせながら、注文した料理を何とか完食。

●あれだけ痛めつけられた舌も、今は平常どおりです。
人体って、本当にスゴいです。

せんべろ街で暑気払い

●このお盆休みは、温泉宿がどこもいっぱいで、遠出は見送りました。
例年にくらべれば、東京もビックリするほど涼しいし……自宅でノンビリするのもゼイタクかも知れない。
と考えていた折り、知り合いから「近所に引っ越したので一緒に飲もう」との連絡がありました。

●私は基本的に自宅で晩酌するため、飲み屋にいくことがメッタにありません。
でも、最寄駅周辺には「せんべろ街」が広がっており、有名だというモツ焼き屋を予約。
暑気払いをしてきました。

●年季の入ったお店は、そこそこの広さがあるのですが、午後4時の時点でもう満席。
メニューひととおりを頼んでみたものの、「タンのゆで刺し」と「じゃがいも入り煮込み」が印象に残ったくらいで、串モノなどはごくフツウの味でした。
しかし、そういったメニューも次つぎと完売。

●さて、ハシゴ酒の二軒目をさがしたところ、どこでも「予約なしでは入れない」と断られてぼう然としました。
せんべろとはいっても、千円でベロベロに酔えるほど安い店なんてないのに……いやはやスゴい客入りです。
物価高にあえぎつつも、「みんなお金を持っているんだな」と恐れ入った次第。

●「フラッと入ってフラフラっと出ていく」のが流儀だった老舗の安居酒屋にいたっては、店の外に行列ができていました。
後日、ある人に聞いたところ、私の住む街は「のん兵衛の聖地としてSNSなどで話題となっている」とのこと。
一種の観光地と化しているみたいです。

●しかし、並んでまでして飲むお酒って、おいしいでしょうか?
忘年会でもないのに要予約ってのも……うざったくないのかしらん。

●私の場合、やっぱり「わが家が一番」であります。

武芸随筆の連載

●あと数か月もすれば55歳です。
もうすぐ自動車運転免許の更新期間に入ります。
「裸眼でのパスは難しいんじゃないか」と懸念しています。
以前から視力は落ちていましたが……今年は急速に老眼も進みました。

●最近は鏡を見るたび「老けて、ますますオヤジに似てきたな」とあきれるばかり。
遺伝子って、本当に気味が悪いですね。

●そんなこんなで、おのれの年齢や人生をフッと考えさせられる今日このごろです。
古流武術を学び始めてから33年が経過。
東京スカイツリー建設期間の約10倍です。
われながら、ちょっとビックリしています。

●そういう自分に節目をつけるべく、武芸随筆の連載を思いたちました。
その決意には、コロナ過以降の道場生激減や、2年前に旧師が死去したことも影響していると思います。

●又借りしている空手道場でも、門下生がなかなか集まらないそうです。
しかし、若い代表者は、お得意のイラストを駆使してポスターやチラシを作成。
SNSも活用し、道場を盛りあげようと奮闘しています。
武術エッセーの執筆には、彼に感化された面もあるのです。

●平成から令和にかけて活躍した黒田鉄山先生が亡くなり、その存在はすでに伝説化。
11年間の師事で触れた先生の人間味など、ほとんど表に出てこないエピソードを語るのも意義あることと考えています。

●稽古場で撮影した動画や未発表写真をそえて、下記のブログで更新していく予定です。
興味あるかたは、どうぞご一読ください。

「武術家入門  ~学校や会社にのみ込まれない生き方~」
 https://kenbujyuku.hatenadiary.jp/

専修学校教員研修会受講

●「埼玉県専修学校教員研修会」に参加してきました。
専門学校教員の質を向上させるために、専修学校各種学校協会が開いている勉強会です。

●研修期間は2年間で合計6日間、全12回の受講プログラム。
1年次の第1回と第2回の講義は、実践心理学と専修学校制度についてでした。

●私はこの春まで日本語学校に勤務していたのですが、新年度より専門学校の日本語教師に転職。
というのも、日本語学校の制度が変わったため、従来の日本語教員資格が無効となるからです。
これは「サムライ先生、日本語を教える」(並木書房)という自著でも触れたように、ずいぶん前から覚悟していたことでした。

●ただし、専門学校や大学での勤務ならば、これまでのキャリアでも差しさわりなし。
そこで、職場をチェンジした次第です。

●現勤務先の学生は、ほとんどが外国人留学生。
留学生というと、少し前までは中国人やベトナム人が多かったのですが……最近はバングラデシュやネパールからの若者が目立ちます。
しかし、今回の研修では、留学生対応のレクチャーがほとんどありませんでした。

●それでも、青年心理や職業教育史の話は、興味深く拝聴。
専門学校が制度化されたのは約50年前だそうで、意外と歴史が浅い。
また、今春の法改正で、修了認定が時間数から単位数に変わったり、自校評価に第三者が必要になったり、「生徒」を「学生」と呼び変えるなどの変更があったそうです。
一教員には、直接関係のない話……という気もしましたけれど、勉強にはなりました。

●なお、この専修学校教員研修会は、すべての都道府県が実施しているものではないらしい。
せっかくの機会なので、残りの講義も頑張ろうと存じます。

連休の浅草散策

●今年の連休は雑事がたまっており、遠出はひかえました。
都内は比較的すいている様子だったものの、人と会う約束で訪れた浅草は、やはり結構な混雑。

●三社祭の準備中だった浅草神社では、御朱印を求める人たちが列をなしていました。
私も御朱印をもらうのを趣味にしていましたけれど、御朱印ブームとなり、その初穂料が高騰してからは、まったく関心を失いました。
なお、浅草寺境内にて、市川団十郎の銅像を発見。
今まで気づきませんでした。

●待ち合わせの時間まで、かなりの余裕があったので、松屋浅草の「氏子各町会伴天展示」もひやかしました。
三社祭で使用される半天や手ぬぐいを見学した後、浅草みやげの定番であるブランデーケーキを初購入。
契約農家の小麦を使ったこだわりのケーキらしいのですが……この物価高だけあり……なかなかのお値段でした。

●雷門前にある「亀十」のどら焼きを買おうと思ったところ、すごい行列なので、当然パス。
どら焼き1個が牛丼一杯分ほどもするうえ、並ばなきゃイケないなんて……もってのほかです。

●そこから徒歩1分ほどにある、北海道アンテナショップにも立ち寄りました。
半額になった「ほっけの燻製」に、しばし釘づけ。
酒のサカナによさげです。
しかし、どんな味なのだろう?

●そうやって悩んだあげく、待ち合わせをハッと思い出しました。
店を飛び出して、急ぎ足で向かった先には、東京スカイツリーが屹立。
「先端があんな形の耳かきってあったよな」
そんなことを考えながら、待ち合わせ場所に到着しました。

●まぁ、本年のゴールデンウィークは、比較的涼しくて過ごしやすかったです。

FACE展2026

●先月、東郷青児(とうごうせいじ)の美人画やゴッホのひまわりを所蔵していることで有名な「SOMPO美術館」に足を運びました。
妻が、現代絵画の公募コンテスト「FACE展」の招待券をもらったので、「新進作家のお手並みを拝見しましょう」と夫婦でお出かけしたのです。

●久しぶりに新宿駅で下車したら、西口は再開発工事で迷路のようでした。
駅から出ることができない!
本当にまいりました。

●さて、FACE展では、丸型蛍光灯をUFOに見立てたような「幾千年」、ペン売り場の試し書きを巨大化した「真偽の踊り場.2-東京の文房具店より」といったユニークな作品に着目。
前年受賞者らの新作展示室では、コウユキ氏の抽象画が目をひきました。

●最後にゴッホのひまわりが掲げられていましたけれど……やっぱり、あのヒマワリはしおれすぎ。
ちょっとバッチイ感じすら、するんですよね。

●帰りしな、自宅近所の商店街で食べ歩きをしました。
ソフトクリーム屋と焼き鳥屋を見つけると買わずにいられない妻は、「おう、ぼんじりだ!」と大ハシャギ。
また、チャーシューたっぷりの博多ラーメン屋は、ご主人が若くて腰の低い中国人でした。

●日もずいぶん伸びたなぁ。
春のうららかさをしみじみ感じました。

天空のビーチと黄金の湯ノ花紀行

●山梨県北杜(ほくと)市にある日向山(ひなたやま)を登ってきました。
山頂が花崗岩(かこうがん)の風化した砂で覆われており、「天空のビーチ」と称される絶景が広がっているので有名。
以前からずっと行きたいと思っていた山梨百名山の一つです。

●尾白川(おじらがわ)渓谷無料駐車場にレンタカーを止め、そこから往復4時間程度のコースでした。
3月上旬だとまだ残雪があるので、少々歩きにくかったです。
ただし、涼しいのでさほど体力を消耗せず、登山客もまばら。
気分は上々でした。

●ところが、登頂したら……天空ビーチはすっぽりと雪に隠れており、私は心底ガッカリ。
一方の妻は「でも、目を細めてみれば、雪原が真っ白な砂浜に見えます」と、まったく気にしていない様子でした。
まっ、彼女がOKなら異存なし。

●その晩は、西山温泉「蓬莱館」に投宿しました。
湯舟に、マーマレードのような黄金色した湯ノ花が舞っているのが特長です。
マンガの紹介などで話題になる以前から、ここもぜひ訪れたいと考えていました。
むろん、私たちが大好きな源泉かけ流しのぬる湯。

●夏季以外だと、ぬるい温泉は遠慮される傾向があります。
そのためか、私たち以外の宿泊客はおらず、浴場は貸しきりでした。

●蓬莱館は混浴です。
夫婦「水入らず」ならぬ「水入りびたり」を堪能。
飲泉に夢中になっている妻の隙を見て、その胸にタッチしようとしたら、なぜかスゴい剣幕でした。
なので、おとなしく湯治に専念。

●結局、合計で9時間くらい入浴しました。
おかげで今、体調は絶好調です。