みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

武芸随筆の連載

●あと数か月もすれば55歳です。
もうすぐ自動車運転免許の更新期間に入ります。
「裸眼でのパスは難しいんじゃないか」と懸念しています。
以前から視力は落ちていましたが……今年は急速に老眼も進みました。

●最近は鏡を見るたび「老けて、ますますオヤジに似てきたな」とあきれるばかり。
遺伝子って、本当に気味が悪いですね。

●そんなこんなで、おのれの年齢や人生をフッと考えさせられる今日このごろです。
古流武術を学び始めてから33年が経過。
東京スカイツリー建設期間の約10倍です。
われながら、ちょっとビックリしています。

●そういう自分に節目をつけるべく、武芸随筆の連載を思いたちました。
その決意には、コロナ過以降の道場生激減や、2年前に旧師が死去したことも影響していると思います。

●又借りしている空手道場でも、門下生がなかなか集まらないそうです。
しかし、若い代表者は、お得意のイラストを駆使してポスターやチラシを作成。
SNSも活用し、道場を盛りあげようと奮闘しています。
武術エッセーの執筆には、彼に感化された面もあるのです。

●また、平成から令和にかけて活躍した黒田鉄山先生が亡くなり、その存在はすでに伝説化。
11年間の師事で触れた先生の人間味など、ほとんど表に出てこないエピソードを語るのも意義あることと考えています。

●稽古場で撮影した動画や未発表写真をそえて、下記のブログで更新していく予定です。
興味あるかたは、どうぞご一読ください。

「武術家入門  ~学校や会社にのみ込まれない生き方~」
 https://kenbujyuku.hatenadiary.jp/

専修学校教員研修会受講

●「埼玉県専修学校教員研修会」に参加してきました。
専門学校教員の質を向上させるために、専修学校各種学校協会が開いている勉強会です。

●研修期間は2年間で合計6日間、全12回の受講プログラム。
1年次の第1回と第2回の講義は、実践心理学と専修学校制度についてでした。

●私はこの春まで日本語学校に勤務していたのですが、新年度より専門学校の日本語教師に転職。
というのも、日本語学校の制度が変わったため、従来の日本語教員資格が無効となるからです。
これは「サムライ先生、日本語を教える」(並木書房)という自著でも触れたように、ずいぶん前から覚悟していたことでした。

●ただし、専門学校や大学での勤務ならば、これまでのキャリアでも差しさわりなし。
そこで、職場をチェンジした次第です。

●現勤務先の学生は、ほとんどが外国人留学生。
留学生というと、少し前までは中国人やベトナム人が多かったのですが……最近はバングラデシュやネパールからの若者が目立ちます。
しかし、今回の研修では、留学生対応のレクチャーがほとんどありませんでした。

●それでも、青年心理や職業教育史の話は、興味深く拝聴。
専門学校が制度化されたのは約50年前だそうで、意外と歴史が浅い。
また、今春の法改正で、修了認定が時間数から単位数に変わったり、自校評価に第三者が必要になったり、「生徒」を「学生」と呼び変えるなどの変更があったそうです。
一教員には、直接関係のない話……という気もしましたけれど、勉強にはなりました。

●なお、この専修学校教員研修会は、すべての都道府県が実施しているものではないらしい。
せっかくの機会なので、残りの講義も頑張ろうと存じます。

連休の浅草散策

●今年の連休は雑事がたまっており、遠出はひかえました。
都内は比較的すいている様子だったものの、人と会う約束で訪れた浅草は、やはり結構な混雑。

●三社祭の準備中だった浅草神社では、御朱印を求める人たちが列をなしていました。
私も御朱印をもらうのを趣味にしていましたけれど、御朱印ブームとなり、その初穂料が高騰してからは、まったく関心を失いました。
なお、浅草寺境内にて、市川団十郎の銅像を発見。
今まで気づきませんでした。

●待ち合わせの時間まで、かなりの余裕があったので、松屋浅草の「氏子各町会伴天展示」もひやかしました。
三社祭で使用される半天や手ぬぐいを見学した後、浅草みやげの定番であるブランデーケーキを初購入。
契約農家の小麦を使ったこだわりのケーキらしいのですが……この物価高だけあり……なかなかのお値段でした。

●雷門前にある「亀十」のどら焼きを買おうと思ったところ、すごい行列なので、当然パス。
どら焼き1個が牛丼一杯分ほどもするうえ、並ばなきゃイケないなんて……もってのほかです。

●そこから徒歩1分ほどにある、北海道アンテナショップにも立ち寄りました。
半額になった「ほっけの燻製」に、しばし釘づけ。
酒のサカナによさげです。
しかし、どんな味なのだろう?

●そうやって悩んだあげく、待ち合わせをハッと思い出しました。
店を飛び出して、急ぎ足で向かった先には、東京スカイツリーが屹立。
「先端があんな形の耳かきってあったよな」
そんなことを考えながら、待ち合わせ場所に到着しました。

●まぁ、本年のゴールデンウィークは、比較的涼しくて過ごしやすかったです。

FACE展2026

●先月、東郷青児(とうごうせいじ)の美人画やゴッホのひまわりを所蔵していることで有名な「SOMPO美術館」に足を運びました。
妻が、現代絵画の公募コンテスト「FACE展」の招待券をもらったので、「新進作家のお手並みを拝見しましょう」と夫婦でお出かけしたのです。

●久しぶりに新宿駅で下車したら、西口は再開発工事で迷路のようでした。
駅から出ることができない!
本当にまいりました。

●さて、FACE展では、丸型蛍光灯をUFOに見立てたような「幾千年」、ペン売り場の試し書きを巨大化した「真偽の踊り場.2-東京の文房具店より」といったユニークな作品に着目。
前年受賞者らの新作展示室では、コウユキ氏の抽象画が目をひきました。

●最後にゴッホのひまわりが掲げられていましたけれど……やっぱり、あのヒマワリはしおれすぎ。
ちょっとバッチイ感じすら、するんですよね。

●帰りしな、自宅近所の商店街で食べ歩きをしました。
ソフトクリーム屋と焼き鳥屋を見つけると買わずにいられない妻は、「おう、ぼんじりだ!」と大ハシャギ。
また、チャーシューたっぷりの博多ラーメン屋は、ご主人が若くて腰の低い中国人でした。

●日もずいぶん伸びたなぁ。
春のうららかさをしみじみ感じました。

天空のビーチと黄金の湯ノ花紀行

●山梨県北杜(ほくと)市にある日向山(ひなたやま)を登ってきました。
山頂が花崗岩(かこうがん)の風化した砂で覆われており、「天空のビーチ」と称される絶景が広がっているので有名。
以前からずっと行きたいと思っていた山梨百名山の一つです。

●尾白川(おじらがわ)渓谷無料駐車場にレンタカーを止め、そこから往復4時間程度のコースでした。
3月上旬だとまだ残雪があるので、少々歩きにくかったです。
ただし、涼しいのでさほど体力を消耗せず、登山客もまばら。
気分は上々でした。

●ところが、登頂したら……天空ビーチはすっぽりと雪に隠れており、私は心底ガッカリ。
一方の妻は「でも、目を細めてみれば、雪原が真っ白な砂浜に見えます」と、まったく気にしていない様子でした。
まっ、彼女がOKなら異存なし。

●その晩は、西山温泉「蓬莱館」に投宿しました。
湯舟に、マーマレードのような黄金色した湯ノ花が舞っているのが特長です。
マンガの紹介などで話題になる以前から、ここもぜひ訪れたいと考えていました。
むろん、私たちが大好きな源泉かけ流しのぬる湯。

●夏季以外だと、ぬるい温泉は遠慮される傾向があります。
そのためか、私たち以外の宿泊客はおらず、浴場は貸しきりでした。

●蓬莱館は混浴です。
夫婦「水入らず」ならぬ「水入りびたり」を堪能。
飲泉に夢中になっている妻の隙を見て、その胸にタッチしようとしたら、なぜかスゴい剣幕でした。
なので、おとなしく湯治に専念。

●結局、合計で9時間くらい入浴しました。
おかげで今、体調は絶好調です。

ドローンデビュー

●ウクライナ侵攻でも、コストパフォーマンス最強の対ロシア兵器として注目されたドローン。
その語源は「ハチの羽音」なのだそうです。
また、ドローンとは「無人航空機」のことであり、私たちがイメージするプロペラマシーンは「マルチコプター」という種類にあたるらしい。

●といったことを、「ドローン・作って飛ばす大人の体験プログラム」で学んできました。
講師は、ドローン撮影などを手がけている「ozora」のメンバーです。
ozora代表の高橋元(たかはしはじめ)氏は、高校生でドローン会社を起業した青年。
アシスタントたちも、大学在学中の超若手ぞろい。
そのためか、受け答えはシッカリしているものの……学生っぽいお気楽さも多分に感じました。
創業時のビル・ゲイツとかスティーブ・ジョブズも、あんな感じだったのかな?

●さて講座の1回目は、ドローンキッドの組みたてを通した構造学習と簡単なテスト飛行。
第2回は、航空法・電波法・国家資格といったドローン関連法規のお勉強と、ドローン操作の練習でした。
組み立てたドローンは、昔はやったゼンマイじかけのミニカー「チョロQ」にプロペラをつけたようなミニサイズ。
なので、とにかく部品が極小であり、ゆえに老眼には地獄でした。
若い講師陣には、そういう年配者の腐心がまったくわかっていない様子。

●私が組みあげたドローンは、なかなか真上へホバリングせず。
ドローンは機体の傾きによって推進方向が決まるため、まずは垂直に離陸してくれないと上手に操作できないのです。
講師にサポートされながら、おっかなビックリでコントロールしました。

●なお、日本はドローン規制が厳しいこともあり、製造面では中国にまったくおよばないとのこと。
しかし、ドローンレース世界大会・個人戦では優勝もしているみたいです。
その世界大会は、今年も開催されるのだとか。

●ライブ感のある映像撮影はもとより、危険な施設の点検や、過疎地・被災地への配達手段など、ドローンはさまざまな活躍が期待されています。
でも、まぁ、単なるオモチャとしてもよくできている。

●妻に貸したら、私の操縦よりはるかにスムーズでした。
彼女はコンピューターゲームが好きなので、その分、私よりも適応力があるのでしょう。
自分だけ時代にとり残された気分で、ちょっぴりくやしいです。

武芸ツーリズム in 熊本

●熊本を旅行してきました。
妻が「阿蘇山に登りたい」といったからなのですが……出立の数週間前、遊覧ヘリコプターが火口に墜落。
その影響で、火口見学に規制がかかっていました。

●さて、火山石の散らばった険しいハイキングを予想していたものの、尾根道が多く、比較的なだらか。
と思いきや……南岳(みなみだけ)にいたるコースでは、ほぼ崖のような岩場が連続。
「コレ、本当に登るの?!」
「うん。矢印が書いてあるッス!」
たじろぐ私に対し、妻はヤル気まんまんでした。

●なお、阿蘇山とは連峰の総称。
私たちは、南岳(みなみだけ)と中岳(なかだけ)と高岳(たかだけ)を踏破しました。
所要時間は往復で5時間強。
結構バテましたが、ハイカーが少なかったので気持ちよかったです。

●旅行中は、宮本武蔵ゆかりの「霊巌洞(れいがんどう)」や「武蔵塚(むさしづか)公園」、跳躍・蹴り技といったアクロバットが特色の「タイ捨流(しゃりゅう)」剣術道場もたずねました。
霊巌洞境内では、剣術・座禅体験プログラムの主催者らと遭遇。

●また、タイ捨流道場には、それとわかる看板が出ておらず……ひっくり返した甕に「古武道兵法タイ捨流剣術龍泉館」と小さく書かれているのみでした。
「加圧トレーニング」とか「整体学校」とあるかめも並んでおり、多角経営で道場を維持しているみたい。
建物はまだ新しく、対応していただいた道場の方によると「先の震災により建て直した」との話でした。

●さらに、杖立温泉(つえたておんせん)会館にて「日本少林武術学校」の看板を発見。
夏休みは、中国の武僧を招いて武術講座を開いているらしい。
「何で? こんな山奥で!」とビックリするのと同時に、冬に来たことが心底くやしかったです。
ぜひ受講したかったなぁ。

●ともあれ、市内では宮本武蔵の「二天一流(にてんいちりゅう)」を体験する講習などもあり、熊本は武芸ツーリズムがさかんなようです。
インバウンドとしても、このジャンルはアニメと肩をならべる重要なコンテンツ。
私も一役買いたいものです。