みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

法華経寺のお花見

●千葉県市川市にある「中山法華経寺(なかやまほけきょうじ)」にいってきました。法華経寺は、鎌倉時代の過激な僧侶・日蓮(にちれん)が最初に開いた大本山。日蓮宗への思い入れはないものの……「花見の名所としても有名」と聞き、妻と一緒に訪れた次第です…

群馬霊場めぐり

●群馬県の中之条町(なかのじょうまち)にある嵩山(たけやま)にいってきました。嵩山は古くから霊山として知られ、ハイキングコースには「経塚」「胎内くぐり」「弥勒穴」「不動岩」などと呼ばれるポイントが点在しています。 ●奇岩や怪石を眺めたり、鎖を…

雑司ヶ谷鬼子母神堂散策

●池袋駅は、毎週道場がよいで利用している都内屈指のターミナル駅。ただし、私は路線を乗り換えるだけであって、池袋の街にくり出すことはほとんどありません。 ●その理由の一つが壮絶な人ごみです。肩をぶつけ合って進む……あの人波は、なるべくなら遠慮した…

飯能ぶらり

●先日、埼玉県の飯能に行ってきました。飯能は、旧幕府軍と新政府軍が衝突した「飯能戦争」で有名ですが、私は三島由紀夫の異色作「美しい星」の舞台としての思い入れが強い。 ●今回の目的地は、飯能駅から徒歩30分くらいのところにある宮沢湖畔の「喜楽里…

下町そぞろ歩き

●2月に入り、さすがに雪も降りましたが……今冬は例年にくらべてあたたかです。そこで、フラッと柴又(しばまた)の帝釈天(たいしゃくてん)まで足をのばしました。 ●妻のお目当ては参道名物の草団子、私は酒のつまみになるようなつくだ煮や漬物がターゲット…

年の瀬参拝の話

●先日、千葉県・香取神宮を訪れて松詣(まつもうで)をしました。松詣とは、初詣の人ごみが苦手な私が恒例としている年末参拝のこと。 ●帰省渋滞を避けるべく早朝に車で出発し、8時前には到着しました。参道にならぶみやげ店はまだ開いておらず、拝殿までの…

夢二式ステンシル

●なんとも目まぐるしい一年でした。で、本年最後の息抜きとして「ステンシルワークショップ」に参加。高崎市美術館で開催中の「竹久夢二のすべて」展に関連した企画です。 ●ステンシルとは、文字や模様を切抜いた型紙を使った染色技法や版画のこと。本講座の…

藍の型染め体験

●藍(あい)色はわが国の伝統色の一つであって、武士も「勝色(かちいろ)」といって尊びました。剣道着には、藍染めされたものが多いです。 ●さて先日、「埼玉県立歴史と民俗の博物館」で、久しぶりに藍染め体験しました。しかし「型付け」の藍染めは今回が…

しかけ豆本ワークショップ

●千葉市美術館でおこなわれた「飛び出すしかけ豆本(まめほん)」のワークショップに参加してきました。講師は、豆本と消しゴムはんこの作家である服部エリカ氏です。 ●豆本とは、てのひらにおさまる程度のミニチュア本のこと。本講座の主旨は、服部氏が用意…

テルマエ展

●山梨県立美術館で開催中の「テルマエ展」にいってきました。「テルマエ・ロマエ」というマンガとのコラボ企画で、同コミックは映画化もされたほどの人気作。わが妻が愛読していたため、一都二県の遠路をはせ参じたワケです。 ●「テルマエ・ロマエ」は、公衆…

マボロシ同窓会の話

●今月、52歳の誕生日をむかえました。あまり自覚はないのですが……体力とか気力も、十代や二十代のころとは違ってきているはずです。生活習慣病の心配なども、頭をかすめる今日このごろ。そんな気分に誘われたのか、おととい、中学校の同窓会に出席する夢を…

七面山とクマの親子

●山梨県にある「七面山(しちめんさん)」は、日蓮宗総本山「身延山(みのぶさん)」の守護神とされる「七面大明神」が鎮座する霊山です。七面大明神をまつる「敬慎院(けいしんいん)」までは片道約3時間、山頂だとさらに1時間くらいかかります。「かなり…

クルドの話

●東京都北区・十条駅前にある「メソポタミア」は、日本で唯一「クルド料理」の看板をかかげているお店。そのオーナーであるワッカス・チョーラク氏は、日本クルド文化協会事務局長や、東京外国語大学のクルド語講師もつとめています。先日、彼の講座にいって…

国立劇場歌舞伎鑑賞

●今年10月に閉場する国立劇場へいってきました。いただきもののチケットをムダにせぬよう、大慌てで仕事を切りあげ、開幕ギリギリにすべり込みセーフ。 ●演目は「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)」でした。主演は中村芝翫(なかむらしか…

上野散策

●長く続いたコロナ規制の反動もあって、この大型連休は大混雑するとのこと。そのため遠出はやめて、上野かいわいを散策することにしました。 ●まずはアメ横へ向かい、「摩利支天徳大寺(ましりてんだいとくじ)」を参拝。徳大寺は、「良い品が何でも安くそろ…

お守り工場見学

●お守り袋の生地を生産している工場「岩秀織物(いわひでおりもの)」を見学してきました。年配のご夫婦が運営している小さな作業場で、表には看板のたぐいを出していません。そのため、場所がなかなかわからず、5分ほど周辺をウロウロしてしまいました。 ●…

春の群馬ぶらり旅

●群馬の温泉へ行ってきました。その行きがけに「岩井堂砦(いわいどうとりで)」を登山。懸崖造(けんがいづく)りだという「岩井堂観世音御堂(いわいどうかんぜおんみどう)」前にレンタカーを止めて、その裏山を約1時間ハイキングしました。 ●岩井堂砦は…

ぐるっとパス使い納め

●「ぐるっとパス」は、東京・埼玉・千葉・神奈川で利用できる3か月有効の美術館・博物館チケットです。入場無料、または割引待遇が受けられる定期券なのですが、この利用期限が迫っていたため、使い納めとして、白金台にある「松岡(まつおか)美術館」へ足…

合田佐和子展

●昭和から平成にかけて活躍した美人芸術家・合田佐和子(ごうださわこ)の回顧展にいってきました。訪れたのは、三鷹駅前にある「三鷹市美術ギャラリー」。 ●合田作品には「ミステリアスな油絵」とのイメージを抱いていたのですが……彼女は当初、ガラス瓶や銅…

住友コレクション中国青銅器名品選

●東京六本木にある泉屋博古館(せんおくはくこかん)で、中国青銅器展を見てきました。茶会の床飾りなどで鑑賞された、住友家のコレクションです。 ●奇怪なうずまきや、突飛な動物をあしらった青銅器は、縄文土器に通じるアバンギャルドさが漂っています。が…

揃い踏み 細川の名刀たち展

●名門・細川家は、明治以降もあまたの政治家や学者を輩出しました。16代当主の細川護立(ほそかわもりたつ)は、とりわけ美術に造詣が深く、文化財保護活動などで活躍した無類の趣味人。日本刀コレクションが有名であり、日本美術刀剣保存協会の初代会長も…

リトグラフ体験

●版画は、凸版画・凹版画・平版画・孔版画の4つに大別できます。リトグラフは、このうちの平版画にあたります。 ●リトグラフの考案者は、アロイス・ゼネフェルダーという俳優や劇作家をしていたドイツ人だそうです。戯曲などを簡単かつ安価に印刷する方法と…

仏像詣

●「大倉集古館」は、東京都港区の老舗ホテル「ホテルオークラ」敷地内にある日本初の私立美術館。実業家・大倉喜八郎が「廃仏の風潮から仏教美術品を守ろう」と、仏像や仏画をコレクションしたことでも知られています。 ●その白眉は、国宝の普賢菩薩騎象像(…

相田みつを美術館の話

●相田みつをは、人生訓めいた詩と、技巧を捨てた書道を融合した芸術家です。私は幼少より、足利市に住む親戚から届く「古印最中(こいんもなか)」を食べていたため、相田みつをがデザインした包装紙をとおして彼の詩や書にふれていました。が、当時は、「和…

漱石山房記念館

●現在の勤務先は、夏目漱石の生家があった「夏目坂」の近く。「漱石山房記念館」は、そこから歩いて10分程度です。しかし、入館したことはズッとありませんでした。愛猫家だった漱石にまつわる「猫塚」をチラッとのぞいた程度。 ●ところで、夏目漱石の住居…

だみ筆体験

●町田市立博物館企画の「染付体験」に参加してきました。素焼きの磁器に、呉須(ごす)というコバルト顔料で絵付けをするワークショップです。講師の小枝真人(さえだまこと)氏は、愛知県立芸術大学准教授。丸眼鏡をかけたもの静かな人物でした。 ●輪郭線な…

忍野八海(おしのはっかい)の話

●私の妻は以前、富士五湖のひとつである河口湖をおとずれた際、「あの正面にあるお山……富士山にそっくりだねぇ」と、衝撃的な天然ボケをかましました。そんな彼女を連れて先日、河口湖近辺にある「忍野八海(おしのはっかい)」を観光。 ●忍野八海は、富士山…

荒船山の話

●荒船山(あらふねやま)は、群馬県と長野県にまたがる名山。荒波を進む軍艦みたいな形状の岩山ゆえ、そう呼ばれるようになったとのこと。先日、この山の北壁「艫岩(ともいわ)」をめざして、ハイキングをしてきました。 ●登山コースは細い尾根が続きますが…

山梨旅行の話

●山梨県は無色無臭の温泉が多く、妻は「ありがたみが感じられない」などと、そっぽを向いていました。けれども、私のような「ぬる湯」好きにはたまらない名湯がひしめきあっており、最近は彼女も山梨の温泉ファンです。「寒くなる前に低温の湯を満喫しよう」…

探偵小説シンポジウム

●先日、旧江戸川乱歩邸のある立教大学池袋キャンパスで、「雑誌『宝石』と戦後日本の探偵小説」という公開シンポジウムがありました。なお、宝石は、太平洋戦争敗戦の翌年に創刊されたミステリ雑誌です。 ●「本格探偵(推理)小説」という言葉は知っていまし…