●性差問題などにとり組んでいる施設「スペースゆう」で、「ジンジャーミルク」という映画を見てきました。
同性愛と「聾唖(ろうあ)」の世界に焦点をあてた作品です。
監督をはじめ、製作スタッフや出演者のほとんどが、聴覚障害なのだとか。
「聴覚障害者のチームで映画がつくれるの!?」と、ちょっとビックリしました。
●ところで、ろうあ者は1000人に1人程度しかいないマイノリティです。
彼らはたいてい手話でコミュニケーションをはかっています。
その手話は、国ごとに異なったり、「日本手話」と「日本語対応手話」というふうに……違うスタイルが併存したりしています。
そういったことを、今回はじめて勉強しました。
●なお、古くからある日本手話は、独自の表現体系を持っているそうです。
つまり、手話と、私たちが話している日本語とは、言葉の概念や文法が必ずしも一致していないのです。
上映された作品においても、それが事件の発端となっていました。
●上映会のアフタートークでは、監督の今井ミカ氏が登場。
質疑応答の時間が設けられ、ろうあの観客からも、熱のこもった質問があがっていました。
●今井監督は、ろうあ者のための芸能プロダクションも運営しているとのこと。
小柄ながらたいへんエネルギッシュな人でした。
彼女の手話は力強く、表情も豊かです。
何だかジャッキーチェンのカンフーを見ているような迫力でした。
それに比べると、かたわらの手話通訳士の身ぶりはもの静かでしたので……手話にも「話しぶり」があるんだと感じた次第です。
●映画やドラマで見かける特殊部隊の「ハンドサイン」って、結構カッコイイもの。
「もしも手話を覚えたら、キレのあるアクションを磨きたいな」と、思ったりもしました。