みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

ゆめパのじかん

●「ゆめパのじかん」というドキュメンタリー映画を見てきました。
川崎市子ども夢パーク」を題材にした作品で、約1万㎡の工場跡地に建設された児童開放施設に通う子どもたちが主人公です。

●そこには緑豊かな公園をはじめ、音楽スタジオなどの文化活動室があり、高校生くらいまでの児童らが利用しています。
木登りやドロ遊びといった……昨今の保護者がマユをひそめそうな……危険かつ不衛生な遊びもお構いなし。
「ケガや病気も成長に不可欠な経験」と見なしているワケです。

●さて、この映画でクローズアップされていたのは、個性豊かな不登校児たちでした。
鳥類をこよなく愛する少年、理屈屋のムシ博士、宮大工になりたいという少女など、学校教育のワクからはみ出した子どもたちをみずみずしく描きあげていました。

●登場人物はもちろん、重江良樹(しげえよしき)監督の手腕も秀逸。
私が見た記録映画のベスト3に入る傑作です。

●上映後、重江監督と子ども夢パーク理事長・西野博之(にしのひろゆき)氏が登場し、対談がおこなわれました。
監督はまだ30代とおぼしく、浅草で人力車をひいてそうなガテン系ながらも、物腰のやわらかい人です。
撮影前の約3か月間は、子ども夢パークでサッカーや将棋に明けくれ、取材対象の観察や信頼関係の構築にいそしんだといったエピソードを楽しく拝聴。

●私も教育者のハシクレですので、この作品は胸に迫りました。
将来の安心のために現在の希望を犠牲にしてしまう子育て論、あるいは多様なチャレンジを切り捨てた単一な教育カリキュラムなど、古くて新しい問題を沈思黙考。

●まぁ、私自身、ずっと社会不適応者であり、この歳まで好き勝手した人間です。
そのため、周囲には心配や迷惑をかけどおしでした。

●結論として、私には教育を語る資格がないんだよなぁ。