みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

テルマエ展

山梨県立美術館で開催中の「テルマエ展」にいってきました。
テルマエ・ロマエ」というマンガとのコラボ企画で、同コミックは映画化もされたほどの人気作。
わが妻が愛読していたため、一都二県の遠路をはせ参じたワケです。

●「テルマエ・ロマエ」は、公衆浴場が発達していた古代ローマから、世界有数の入浴文化と機械文明を有する現代日本へとタイムスリップした建築士のドタバタコメディ。
しかし、本展は、ローマと日本の公衆浴場と、入浴に関連した市民生活の紹介が軸でした。
つまり、マンガの主人公はイメージキャラクターとして登場する程度。

●さて、ローマの浴場は、無料もしくはワイン1リットルの4分の1程度の料金で利用できたらしい。
また、冷浴・温浴・熱浴が設けられ、今日のスーパー銭湯なみにサービスが充実していたようです。
その施設維持には高度な水道技術や、奴隷の労働力が不可欠だったこともあって、次第に衰退していきました。

●私は入浴器具である「肌かき器」に注目。
これは、あかすり用の金属棒で、見た目は「鉄の爪」といった印象です。
率直にいえば、拷問道具みたい。

●なお、火山活動が活発なわが国では……「日本書紀」にも湯治の記述があるくらい……古くから温泉文化が栄えてきました。
清浄を重んじる仏教の伝来以降は、さらに入浴の習慣が浸透したとのこと。

●「信玄のかくし湯」で知られる山梨県はぬる湯が多く、「もっとも古い温泉宿」のギネス記録も保持しています。
そのあたりの展示にも結構なスペースをさいており、内容は盛りだくさんでした。

●妻は、「解説文が多すぎて眠くなったじょ」とやや消沈。
「お風呂だけに風呂敷を広げすぎたんだな」という私のダジャレで、彼女はますます不機嫌に……肌かき器でひっかかれそうな殺気すら感じました。

●拝観後は、定宿で源泉かけ流しを堪能。
山梨の湯は「飲泉」しておいしいのも魅力です。
今回も、タラフクちょうだいしました。

●ちなみに、テルマエ展は11月5日までです。