みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

お守り工場見学

●お守り袋の生地を生産している工場「岩秀織物(いわひでおりもの)」を見学してきました。
年配のご夫婦が運営している小さな作業場で、表には看板のたぐいを出していません。
そのため、場所がなかなかわからず、5分ほど周辺をウロウロしてしまいました。

●同所では、出雲大社諏訪大社神田明神といった有名寺社をはじめ、全国各地のお守り袋生地を作っています。
知る人ぞ知るお守り業界のトップメーカー……らしい。
「コロナの影響もあってさ、収入はかろうじてサラリーマンくらい。そんな仕事だからね、後継者はゼロ。じきになくなっちゃうよ」とハイテンションでまくしたてるオヤジさんが、古びた木造建築の作業場内を親切に案内してくれました。

●お守り袋の布は、すでに古式の機械とされる「シャトル織機」で作られているとのこと。
低速の織機であるゆえ、手縫いのようなふっくらとした仕あがりが特徴です。
ちなみに、私が愛用している剣道着もシャトル織。
しかし、シャトル織は前時代のテクノロジーなので、設備維持が大変みたいです。

●一通りのガイドの後、おみやげとして頒布しているお守り袋のハギレなどを見せてくれました。
寄付のつもりか……妻がいきなり2千円を差し出すと、それを受けとったオヤジさんが、しばしフリーズ。
そして、ハギレはもちろんのこと、財布・ティッシュ入れ・ポシェット・不要のシャトル部品などを手あたり次第にくれました。

●サンプルとおぼしき寺社名がないお守りも、「万能のお守りだからね。ぜひ身につけて!」といって、これまたオマケに頂戴。
「もうからない! お金がほしい!」とボヤく職人さんが太鼓判を押す「万能のお守り」のご利益やいかに?

●ともあれ、寺社仏閣名のない万能お守りは、ちょっとしたレアグッズだと思います。
自分で使うか?
誰かにプレゼントするか?
ただ今思案中です。