みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

ヒジャブ美人の話

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●「シリア難民に日本語を教える」というプログラムに参加してきました。
テロ事件などでしか知らなかった中東の人たちと実際にふれ合ったのは、今回が初めてです。
「あいうえお」の練習を皮切りに、あいさつ、時間、曜日、体の各部位、家族の呼び方などをレクチャーしました。

●受講者全員が20代から30代の女性だったので、とても緊張。
エキゾチックな美人が多く、みなモデルや女優のような顔立ちです。
思いがけない役得に胸がはずみました。

イスラム教の女性たちは「ヒジャブ」というスカーフを頭に巻いており、室内でもそれをはずしません。
最初は違和感を覚えましたが、見なれると色合いや光沢がとても美しく、思いのほかスタイリッシュです。
彼女らと接していると、スカーフをかぶらない女性のほうが間抜けに見えてくるから不思議。

●シリア人とのコミュニケーションをとおして、「砂漠の国」というイメージしかなかった中近東にも、豊かな山、川、海岸が広がっており、山岳部では雪が降ることも知りました。
また、書き言葉と話し言葉が大きく違うアラビア語の歴史や文法にも興味津々。

●なお、「バイリンガルに育っているわが子と、不自由なく日本語で話せるようになりたい」という受講者の声が心に残りました。
自国に対する愛着やほこりがあっても、異国に同化せねばならない人たちの覚悟を目のあたりにして、戦争のリアルを実感した次第です。

●講義では、日本のポピュラーミュージックを歌唱したり、書道を教授したりもしました。
ひどいオンチかつ絶望的に悪筆の私が、歌と習字を教える日がくるなんて……何だか申しわけなかったです。
「日本の感性を伝えることが大事。うまい・ヘタは関係ないよ」と、わが妻はフォローしてくれましたけれど、感性についても実にあやしいもの。

●この妻に「ヒジャブを巻かせたらどうだろう?」と思って、ためしにスカーフをかぶってもらいました。
結果としては、マンガの「ドラえもん」に似ていました。