みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

もの忘れ譚

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●最近、もの忘れがひどくなりました。
一時期は深刻に悩み、病院の検査を受けたこともあるほどです。
その診断結果は「軽いウツ病ではないか?」とのこと。

ウツ病とは、ストレスなどで脳の働きがニブる病気です。
ヤル気がなくなったり、もの忘れが激しくなったりするのだとか。
幸いにも、特別な異常は見られなかったのですが、年相応に記憶力や集中力が低下しているのを実感しました。

●一番の悩みのタネは、他人の名前を思い出したり、おぼえたりするのが非常に苦手になったこと。
「この人は藤原というよりも、田中とか小林ってイメージだなぁ」などと感じた相手は、もう絶対といっていいくらい、あやふやにしか名前をおぼえられません。
また、「すぐにやろう」と思ったことが2つ以上あると、2つより先のことは確実に忘れてしまいます。

●そして先日は、稽古で使う模造刀や十手などが入った武道具袋を、道場へ向かう途中で紛失。
真剣こそ携えていなかったものの、武器類が見知らぬ人の手に渡って事故などが起こったら大変です。
あわてて、乗り継いだ各鉄道会社に届け出ました。

●しかし「該当する忘れものは皆無です」といわれて、気をもみつつも、いったん帰宅。
すると……あろうことか……問題の武道具袋が玄関のすみに立てかけてありました。
つまりその日、私は手ぶらで出かけていたワケです。

●この話を妻にうち明けると、どうでもよさげな調子で「私もランドセルを忘れたまま学校にいったことがあるよ」と、アイスクリームをなめながら、少しだけいたわってくれました。
まぁ、気に病んでもしかたがないか……。
とりあえず、よく寝ることにしました。