みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

サムライ展

f:id:kenbujyuku:20191008222002j:plain

●両国にある江戸東京博物館で「サムライ~天下太平を支えた人びと~」展をみてきました。
ざっくりいうと、サムライとは軍人のこと。
そのサムライたちが、有史以来もっとも長く平和の続いた江戸時代を、どのように生きたかについて特集した企画展です。

●幕末の資料が充実しており、槍の名人で知られた高橋泥舟(たかはしでいしゅう)の書が印象的でした。
活字みたいに単調な彼の楷書(かいしょ)は……じっくりながめていると……息がつまるような緊張感があって、私は大好きです。
また、泥舟が絵付けしたドクロの茶碗も気に入りました。

●泥舟の義弟である山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)は、豪気・豪腕のイメージが強い剣人ですが、彼が西郷隆盛と会見した際に帯びていたという愛刀の吉家(よしいえ)は、細身で実に上品。
少々意外でした。

●また、武家出身である浮世絵師の歌川広重(うたがわひろしげ)が所持していたという骨製脇差は、金象嵌(きんぞうがん)が何ともシブかったです。
ちょっとほしくなりました。

●さて、釈然としなかったのが、解説文にあった「天下一統」という文言。
「天下統一の間違いじゃないの?」と、妻もしきりに首をひねっていました。
が、調べてみたところ、当時は天下一統といいならわしていたようです。
つまり、それにしたがった表記というワケらしい。

●しかし、この手のこだわりって、あまり意味がないと思うのです。
武術界でも、こういう枝葉末節に口うるさい人が結構多い。
私は「ヤボだな」とシラけるのですが……わが妻は「オタクの世界だからしょうがないよ」と一刀両断。

●ははは。
ごもっともです。