みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

AI時代の武術

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●汐見稔幸(しおみ としゆき)という教育学者の講演会にいってきました。
テーマは、AI<人工知脳>時代の教育です。

●もうじき、機械があらゆる職能や家事をやってくれる時代が来るでしょう。
実際にコンビニエンスストアなどの接客業をはじめ、病院での診断や手術といった専門的な仕事も、AIまかせとなりつつあります。
乗り物は自動操縦化が進み、インターネットを活用した自宅勤務や自宅学習も徐々に増えています。

●さて、そんなAIの進出で懸念されることの一つが「人間の孤立化」です。
社会学者らは、「AIがはこびる社会で我われの心はどうなっていくのか?」を真剣に模索しているらしい。

●人間が他の動物よりもひいでている「協調性」という能力は、集団行動をとおして習得されるもの。
ヒト対ヒトのコミュニケーションよりも、機械とのつき合いが多くなっていく近未来において、はたしてAIはよき友人あるいはよきライバルとなって、我われを育んでくれるのでしょうか?
これは、そう簡単に答えられない問題です。

●武術にたずさわる者としては、「メカを相手に、人間の弱さや強さを真に学びとれるものか?」が気になりました。
しかし、講演ではそのあたりに触れられず、少々残念。
まぁ、当たり前か。

●ともあれ、パワーやスピードはもちろんのこと、洗練された判断力を持つロボットと稽古するのも一興。
ドラえもんのような強敵があらわれたら……おそらく、かなわないでしょうけれど。