●千葉市美術館で開催した「ミュシャと日本、日本とオルリク」展に足を運びました。
妻が大好きなチェコの画家・ミュシャをはじめ、日本絵画に影響を受けたヨーロッパのアーティストたちを紹介した展覧会です。
それにあわせて、ミュシャらに感化されたわが国の画家らもとりあげていました。
●ミュシャは、仏像にそえられる光背(こうはい)のような大輪を背負った美人画シリーズが有名。
アールヌーヴォーの旗手といわれる絵師です。
●しかし、私自身はさほど関心がありません。
今回も「ミュシャの描く女性ってオッパイが小さいな」といった下世話なことに注目した程度。
●とはいえ、浮世絵っぽい太いリンカク線をもちいたミュシャの人物画には、不思議な浮遊感があります。
その点は「ジャポニズム」をうまくとり入れているなぁと感じ入りました。
●ところで、ヨーロッパのジャポニズムを逆輸入した明治画壇は、西洋のエネルギッシュな表現を手中にしました。
でも、それと引きかえに、浮世絵などで際立っていた躍動感は影をひそめて、重ったるくなった印象。
●この傾向は武芸でも同じです。
スポーツ化された現代の剣道や柔道は……パワフルになった反面……古流剣術や古流柔術にあった優美さや軽妙さを失いました。
●拝観後は、ミュージアムショップで妻へのおみやげを吟味。
結局、ミュシャの絵ハガキと「糸ボタン」を購入しました。
糸ボタンとは、輪っかに糸を巻きつけて作ったボタンで、パジャマなどにつけるチェコの伝統工芸品なのだとか。
●案の定、わが奥方は大よろこびでした。
けれども「糸ボタンって洗濯できるんスか?」と、いぶかしそうに、ためつすがめつ……。
そんなこと、たずねられてもなぁ。
●インターネットで調べたら、丸洗いOKだそうです。