●横浜美術館のワークショップに参加して、「サイノアタイプ」……すなわち日光写真によるフォトグラムを学んできました。
フォトグラムとは、カメラを使わずに、被写体を直接印画紙に置いて画像を焼きつける写真のことです。
●サイノアタイプは「青写真」とも呼ばれ、現在のコピー機が普及する以前は、機械設計図や建築図面の複写によく利用されました。
また、美しい濃紺に感光するため、芸術的表現にも愛用されてきたとのこと。
●ところで数年前、「サイノアタイプでトートバッグに好きな絵を焼きつける」という子ども向け講習会に参加したことがあります。
今回は、感光剤の調合法や感光時間、印画紙の色合いとか用紙のペーハーによって作風が変わるといった、やや専門的な勉強もできました。
●実習では、使っていない刀の鍔(つば)と下緒(さげお)をメインにすえ、黒曜石や季節の葉っぱも印画紙上にならべて感光させました。
被写体のりんかくがレントゲン写真のごとく幻想的にカスみ、実にいいあんばいの作品が完成。
比較的お手軽な作業ながら、期待以上にアーティスト気分が味わえて楽しかったです。
●ともあれ、「カメラがなくとも写真は撮れる」というサイノアタイプの流儀に感じ入りました。
「刀がなくとも人は斬れる」という、無刀の極意に通ずる美学があるような……ないような……。
●サイノアタイプのセットは、比較的安価に市販されているらしい。
購入して「日本刀の押形(おしがた)をとってみようかな」と思案中です。