みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

へそまがり日本美術展

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府中市美術館で開催中の「へそまがり日本美術」展へいってきました。
「キレイ」「リッパ」「ジョウズ」といった一般的な評価をはなれて……「ヘンテコ」とか「カワイイ」あるいは「キモチワルイ」といった趣向の絵画を集めた企画展です。
小雨が降っていましたが、思いのほか大混雑していました。

●案の定、ウマヘタの代表格である白隠(はくいん)や仙厓(せんがい)をはじめとし、徳川家光や家綱らのユルいお殿様芸などが並んでいました。
ヘンテコ画と比較するために、円山応挙(まるやまおうきょ)の正統派作品類も展示。
独学画家のアンリ・ルソーやマンガ家・蛭子能収(えびすよしかず)の作品は蛇足だった気がしますが……まぁ、結構おもしろかったです。

●一番印象にのこったのは春叢紹珠(しゅんそうしょうじゅ)の「三番叟図(さんばそうず)」。
彼は白隠の孫弟子にあたる禅僧であり、ボンヤリとした薄墨で描き出した役者の舞踏は洗練されていてとてもシャープでした。
また、紫式部の肖像だという祇園井特(ぎおんせいとく)の「紫女図」も、バタくさいリアリティが実に鮮烈。

●というワケで、関心のなかった画家たちを知ることもできてよかったです。
しかし、ヘンテコ、ウマヘタをうたっていながら、熊谷守一(くまがいもりかず)をピックアップしていないのは少々意外。
彼は最近、ずいぶんと脚光をあびているので、今回は見送ったということでしょうか?

●退館後は道すがら、激安の八百屋を発見してキュウリを購入。
妻が早々に放置したヌカドコへ漬け込んでみました。
ともあれ、平成最後の日は、かくのごとく休日を堪能。

●新元号「令和」の時代も、のほほんと過ごせますように……。