みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

美男におわす展

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●このところ、妻が疲れぎみだったので、さいたま市にある日帰り天然温泉でリフレッシュしてきました。
そのついでに、埼玉県立近代美術館で開催中の「美男におわす」展にも立ち寄りました。

●同展は、美男子を描いた浮世絵・日本画・マンガ・挿絵などを、ズラリとそろえた企画展示です。
男色の対象ともなった「稚児(ちご)」にはじまり、武士、侠客、陰間(かげま)やボーイズラブのカルチャーまでをも掘りさげていました。

●まず目をひいた作品は、村山槐多(むらやまかいた)の「二人の少年(二少年図)」です。
槐多は何ともいえないドギツい絵を描く人なのですが……解説文によると、彼は中学時代、年下の男子学生に片思いをしていたらしい。
意外な情報にビックリしました。
また、ゲイアートでも活躍した金子國義(かねこくによし)の油彩画も強烈。

●さて会場は、やはり女性が多かったです。
わが妻は、よしながふみ魔夜峰央(まやみねお)といった大好きなマンガ家の原画に目を輝かせていました。

●一方の私は、展示されている美男らにどうも釈然とせず……ひそかに仏頂面。
というのも、素直に「カッコイイ」と思える男性像が、ほとんど見当たらなかったからです。
軽薄さやナヨっぽさばかりが目について、「はたしてこれが美男か?」とやや反感を覚えた次第。

●でも、改めて考えてみると、美男とは「美しい男子」のことであり、男性としての完成度、すなわち「理想の男性像」とは、別ものなのかも知れません。
そう思ったとたん、「美男なんてつまらないものだな」と興ざめしました。

●むろん、ひがみじゃありませんよ。
……多分。