みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

諸星大二郎展

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三鷹市美術ギャラリーで開催中の「デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」を見てきました。
諸星大二郎は、不気味な近未来の社会や、太古から息づく呪術的な世界などを独自のタッチで描くマンガ家です。

●妻が大ファンなため、私も結構、諸星大二郎のマンガを読んできました。
一番好きなのは「碁娘伝」。
囲碁で戦略を学び、剣技で武術を極めた謎の美女が活躍する中国時代劇です。

●さて、今までに何度もマンガ家の展覧会に足を運んでいますが、そこで気づいたのは「印刷物と生原稿の風合いがずいぶん違う作家と、逆にほとんど変わらない作家がいる」ということ。

諸星大二郎の場合は後者であり、素人目にはこれといった発見がありませんでした。
しかし、銅版画のひっかき線のような極細の効果線は実に精妙で、全部を見終わるのに2時間ほどかかりました。

●会場には、諸星大二郎マンガに関連した民俗学的な資料なども展示されており、「漂流記集」や「稲生物怪録絵巻」に目をひかれました。
もっとも圧巻だったのは「甲斐之国山梨岡神社虁(き)神像」。
ちなみに、虁とは中国伝来の妖怪でして、一本足を特徴とする神獣です。
とてもユーモラス、かつ力強く描かれていました。

●なお、残念だったのは、展示されたマンガにそえられたストーリー解説です。
とにかく、説明がヘタ。
以前読んだ作品でも、このあらすじをたどっていると、頭の中が真っ白になってチンプンカンプンというシロモノでした。

●見学後は、三鷹駅周辺をぶらぶらと散歩。
各地の特産品を販売するお店にて、千数百円以上もする高級長崎ちゃんぽんが半額になっているのをみつけました。
夕飯で食したところ、お味はカキエキスが濃厚で、妻が「うまかです!」とご満悦でした。