みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

旧柳生但馬守邸跡

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●東京を歩いていると、思いがけない石碑にフッと出くわします。
先日は、都営大江戸線若松河田駅から3分程度の路地裏で、「旧柳生但馬守邸跡」の石碑を発見しました。

柳生但馬守といえば、初代大目付として活躍した徳川家剣術指南役です。
彼は政治家として出世しすぎたせいか、剣豪としての人気は今一つ。
しかし「活人剣」を唱え、江戸柳生を確立した超ビッグネームです。

●碑のうしろに掲げられた案内板によれば、そこは柳生但馬守が名古屋から移住した地で、剣術道場もあったそうです。
ちなみに、柳生但馬守は新橋に上屋敷、五反田に下屋敷を構えていました。
でも、新宿区にも屋敷があったとは初耳。

●同地は「山根グランドハイム」というマンションが建っており、低層階はマンションオーナーの住宅でした。
好奇心を抑えきれず、詳細をうかがおうとインターフォンを鳴らしたのですが……どうもお留守の様子。

●石碑は2つあって、古いほうには陸軍大将だった荒木貞夫の刻銘がありました。
戦時中は旧陸軍の偕行社があったらしいので、その関係でしたためられたのかも知れません。

●なお、ここの案内板は……教育委員会などが設置したものとは違い……原文兵衛という元警視総監が、「参議院議員」の肩書で書いたものでした。
念のため、新宿区の文化観光課に問い合わせてみたところ、「今まで区として把握していなかった碑」とのことで、案内板の事実関係も不明みたいです。
ちょっとアヤしい気もしましたけれど、めずらしいスポットに遭遇し、何だかトクをした気分。

●マンションの自転車置き場にぽつねんと残されているのも、実にミステリアスでした。