みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

どきどきリニア館見学

●先日、山梨県を旅行した際、都留(つる)市にあるリニア見学センターにも足をのばしました。
超電導リニアの走行試験が見られる日本で唯一の施設です。
ただし、私たち夫婦が訪れた日はリニア走行がなく、そのかわりに走行試験車両の実物展示やパネル解説、体験学習コーナーなどを見て回りました。

●で、まず驚いたのは、「リニアモーター鉄道の研究が始まってもう半世紀以上がたつ」ということでした。
つまり、私が生まれる以前から開発はスタートしていたワケです。

●次にビックリしたのが、リニア車体を浮上・推進させる「超電導磁石」が……車両の下ではなくて……側面についているということ。
車両下面は、加速前の助走段階で使用するタイヤがあり、この車輪は高速になると格納されるらしい。

リニア中央新幹線が開通すると、東京~大阪間が60分強になるのだとか。
東京~甲府間なら、30分もかかりません。
それもそのはず、リニアは時速500キロ前後で走るのです。
これは、既存の新幹線の倍ほどの速度。

●時速500キロで走るリニアをとらえた映像や、その車窓からの画像も見ました。
しかし、ある一定以上のスピードになると感覚がついていかないようで、時速200キロ台と500キロ台の違いが今一つピンときません。
時速約900キロの旅客機に乗っても、さほど「高速!」と感じないのと同じ。
特にリニアは浮遊するため、振動がほとんどなく、それがさらに体感を狂わせるみたいです。

●ところで私は、「昨今の技術進歩に人間の知覚はとり残され始めている」と考えています。
時速500キロの風景が当たり前となる今後は……もっと便利になる反面……社会の速度と人間の感覚が、さらに乖離していくはずです。
おのれの「身体感覚」にこだわる武術家としては、そういう近未来がちょっとコワい。

●妻は、リニアの原理や技術に深く感服した様子。
そして「運賃はいくらになるのかね?」と、コストパフォーマンスのほうを心配していました。
まぁ、多くの利用客とっては、それが一番の関心事かも知れません。