みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

ミイラ展の話

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●久しぶりに上野の国立科学博物館へ足を運んで、「ミイラ<永遠の命>を求めて」展をみてきました。
「コワい夢を見ちゃうからミイラはイヤっす!」と、猛反対する妻をなだめすかして拝観。
「かわいいネコちゃんのミイラも展示されてるよ」と、何とかクドき落とした次第です。

●会場はすごい人出で、過半数が女性でした。
南北アメリカのミイラをはじめ、エジプト、ヨーロッパ、オセアニアや東アジアのミイラを合計43体も展示。
「自然にミイラ化したもの」と「人工的につくられたミイラ」を、シッカリ分類しているところに学術性があるらしい。

●ミイラをCTスキャンすると、生前に結核子宮筋腫をわずらっていたことまで明らかになるのだとか。
そのテクノロジーには驚きました。

●世界最古のミイラが発見されたアメリカと、ミイラのメッカであるエジプトのコーナーがやはり充実していましたが、ヨーロッパの湿地帯から発見されたミイラなども見ごたえがありました。
アルカリの強い土壌だと骨しか残らず、酸性の強い場所だと皮ふしか残らないとのことで、皮しか残っていない湿地ミイラはとてもミステリアスであり、本展の目玉の一つになっていました。

●しかし、特に興味深かったのは、江戸時代の本草学者のミイラ。
彼は研究の一環として、みずからミイラになったそうです。
「柿のタンニンが死体防腐の役割を果たす」と見抜いたその学者は、柿のタネを大量に摂取して、見事にその説を証明。
ともあれ、すごい変人です。

●さて、ミイラを怖がっていた妻ですが……幸いにもその晩は、悪夢にうなされなかったとのこと。
「あんだけ並んでいたら、見慣れちまうッスよ」と、いささかドヤ顔でした。