みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

縄文時代の農業

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●知れば知るほど不思議でおもしろいのが、縄文時代です。
先日は「縄文人の植物栽培」に関する講演を、まったく別の博物館でたて続けに受講。

●「縄文の人びとが、野山でケモノや木の実をとるだけの生活をしていた」という原始的なイメージは、すでに過去のものとなっています。
現在の研究では、集落の組織化、仕事のしわけがかなり進んでいたことが判明。
クリやダイズなどを栽培し、それを長期保存する工夫もおこなっていたそうです。

●ちなみに、ダイズは野生種だけでなく、栽培用に改良された種類も育てられていたとのこと。
また、「日本のウルシ文化は世界最古」ながら、そのウルシも実は外来種
縄文期あるいはそれ以前に、誰かが大陸から持ち込んだと考えられているのです。

●今回のハイライトは、土器に練り込まれた植物のタネや昆虫の痕跡を調べる「圧痕(あっこん)研究」の話でした。
詳細ははしょりますが、私の縄文知識がずいぶんとアップデートされて、本当に楽しかったです。

●しかし、それほどまでに高度な社会を築いていた縄文人が、なぜ戦争と無縁でいられたのか……は、いまだに大きなナゾ。
彼らを見習えば、紛争の絶えない現代社会にも平和がおとずれるかも知れません。

●ところで、縄文人が食していたドングリの味って、どんなだったのでしょう?
ドングリは種類により、そのまま食べられるものと、あく抜きが必要なものがあります。
もっともおいしいのは、あく抜き不要のイチイガシなのだとか。
次にうまいのが、水さらしによるあく抜きを要するシラカシ
そして、そのシラカシにおとるのが、アカガシの味だそうです。

●蛇足ですが、木刀もアカガシよりシラカシのほうがササクレが少なく、上等とされております。
機会があれば、ぜひアカガシとシラカシのドングリを食べくらべたいです。