みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

歌舞伎の話

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●今年の5月、歌舞伎役者・市川海老蔵が13代目市川團十郎を襲名するとのこと。
そこで先月、近所の博物館で開かれた「江戸歌舞伎講座」をのぞいてきました。

●講師は「たばこと塩の博物館」の谷田有史(たにだゆうし)氏。
ずいぶん前に、仕事でご一緒したことのあるかたです。

●さて本題は、「歌舞伎を楽しんだ庶民の様子を川柳から読み解く」というもの。
歌舞伎をうたった川柳は多く、今回は50句ほどが紹介されました。

●ちなみに、江戸歌舞伎の発祥地は、現在の人形町と東銀座のあたりです。
そこから浅草へ移転した経緯や、当時の観劇料などについて勉強しました。

●なお、幕末から明治に活躍した澤村田之助(さわむらたのすけ)という名女形が、壊疽(えそ)で足を切り落とした際、その手術をしたのが「ヘボン式ローマ字の考案者であるジェームス・カーティス・ヘボンだった」というウンチクも、興味深かったです。

●このヘボンという名前は「ヘップバーン」と表記するのですが……その実、アカデミー賞女優のキャサリン・ ヘプバーンは、彼と血縁関係にあるとのこと。

●さて、江戸期の歌舞伎は、朝の6時ごろに始まり、夕方の5時ごろに終了するという、たいへんな長丁場でした。
私が子どものころも、地元の映画館は2本立てがフツウで、ひととおり鑑賞するのに4~5時間はかかったものです。
娯楽のボリュームは、時代とともにダウンしているのかも知れません。

●歌舞伎の客席は、お見合いにもよく利用されたらしく、両人が気に入れば最後まで観劇し、気に入らなければ途中で退席するのが習わしだったとか。
現代人の場合、11時間の歌舞伎鑑賞はかなり苦痛でしょう。
お見合いは、たいがいが失敗に終わると思います。