みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

荒船山の話

荒船山(あらふねやま)は、群馬県と長野県にまたがる名山。
荒波を進む軍艦みたいな形状の岩山ゆえ、そう呼ばれるようになったとのこと。
先日、この山の北壁「艫岩(ともいわ)」をめざして、ハイキングをしてきました。

●登山コースは細い尾根が続きますが、さほどハードではありません。
しかし、岩場に積もった枯葉ですべりやすく、結構神経を使いました。

●大岩壁の頂上部は……下から眺めると急峻なのですが……意外にも平坦な林が広がっており、険しさをほとんど感じさせません。
そのせいか、崖っぷちをのぞき込んで転落死する人が後を絶たないのだとか。
某有名漫画家も、ここで墜落死して話題となりました。

●離れて見れば一目瞭然でも、そのさなかにあっては気づかないのが危険というもの。
なんてことを、考えさせられました。

●なお、妻は登山中、木葉の化石がついた堆積岩をゲット。
「大したことはないッス」といいながら、ずいぶんと自慢げでした。

●その後、「荒舟風穴」にも足をのばしました。
同史跡は落石が積み重なった地域にあり、岩々のすき間にためられた冬の冷気が一年中噴出しています。
これを利用した天然の冷蔵施設跡が2014年、世界遺産に認定されました。

●しかし、現在は石積みの遺構が残るばかりで、小さな公園といった風情です。
「これで入場料500円は高いんじゃない?」と、首をひねった次第。

●わが奥さんも「こんな山中でボラれたじょ!」と、やや不機嫌でした。
まぁ、遺産も大小さまざまですから……期待しすぎるほうがイケないのかも知れません。