みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

ぐるっとパス使い納め

●「ぐるっとパス」は、東京・埼玉・千葉・神奈川で利用できる3か月有効の美術館・博物館チケットです。
入場無料、または割引待遇が受けられる定期券なのですが、この利用期限が迫っていたため、使い納めとして、白金台にある「松岡(まつおか)美術館」へ足を運びました。

●同館は、美人画展を開催中。
上村松園(うえむら しょうえん)やマリー・ローランサンといったビッグネームが並んでいたものの……肉感に欠けた美人ばかりで、やや期待外れでした。
ただし、広田多津(ひろた たづ)によるセミヌード作品は、結構そそりました。
甲斐庄楠音(かいのしょう ただおと)に師事しただけのことはあります。

松岡美術館は、陶磁器や仏教美術のコレクションでも有名です。
ファンシーな色彩のペルシャ古陶は、「ちびまる子ちゃん」を描いたさくらももこがデザインしたみたいな雰囲気。
私の妻も、この手の絵が得意です。

●なお、「広隆寺にある国宝・弥勒菩薩半跏像の原型」といわれるガンダーラ仏教彫刻の「菩薩半跏思惟像」も、強く印象に残りました。
広隆寺弥勒菩薩は、人さし指で歯を掃除しているようなポーズですが……オリジナルのインド版だと、「どうすれば人間を救えるだろう?」と悩む尊者の雰囲気がよく表現されています。

松岡美術館から徒歩10分ほどのところにある「東京都庭園美術館」にも寄りました。
ここも、ぐるっとパスの対象施設。

●もとは、アール・デコ様式の皇族邸宅で、若いカップルなどに人気があるらしい。
幼少時、両親に連れられていった古くさいホテルとか式場……を想起しました。
あの手の内装や調度品は、近ごろはやっている「昭和遺産」というヤツかも知れませんけれど、行列して見るほどの感動はナシ。

●昭和も遠くなりにけり。
といったトコロでしょうか?