みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

住友コレクション中国青銅器名品選

●東京六本木にある泉屋博古館(せんおくはくこかん)で、中国青銅器展を見てきました。
茶会の床飾りなどで鑑賞された、住友家のコレクションです。

●奇怪なうずまきや、突飛な動物をあしらった青銅器は、縄文土器に通じるアバンギャルドさが漂っています。
が、縄文土器の大らかなグルグルに対して、中国青銅器はカクカク・ギザギザした「メカゴジラ感」が強い。
とはいえ、本記念展には、ポニョンとした流線形の青銅器もけっこう多かったです。

●また、おそろしく緻密で、薄手かつエレガントなデザインにも感心しました。
私は以前、鋳物づくりを経験しているので、古代中国の金工レベルがナマハンカでないことを即座に理解。

●ところで、青銅器のモチーフはさまざまです。
虎卣(こゆう)というトラの祭器は、ウルトラセブンに登場した「ミクラス」という怪獣をほうふつとさせました。
また、鳥蓋瓠壷(ちょうがいここ)というヒョウタン型のツボは、クチバシが開閉するトリ頭付きで、マグボトルっぽい仕様。
蛙蛇文盤(あだもんばん)という水盤は、中央に「ど根性ガエル」のピョン吉みたいな平面カエルがへばりついていて、「このデザイン、私の妻が好きそうだな」と目をひかれました。

●現在、「銅のサビは猛毒でない」といわれていますが……やはり、寒々しさを感じさせる緑青(ろくしょう)は、どうも苦手。
直接さわったら、手がただれるような気がしちゃうのです。

●同展は今月26日まで。