みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

漱石山房記念館

●現在の勤務先は、夏目漱石の生家があった「夏目坂」の近く。
漱石山房記念館」は、そこから歩いて10分程度です。
しかし、入館したことはズッとありませんでした。
愛猫家だった漱石にまつわる「猫塚」をチラッとのぞいた程度。

●ところで、夏目漱石の住居には往時、彼をしたう気鋭の文人らが連日押しかけていたそうです。
その来客の多さを心配して、児童文学者の鈴木三重吉(すずきみえきち)が、「面会は木曜日の午後3時以後に限定しよう」と提案。
それが定着し、「木曜会」というサロンが誕生しました。
漱石山房記念館では、木曜会の舞台となった書斎も再現されています。

●実は先日、道場門下生から「東京ミュージアムぐるっとパス」というチケットを頂戴し……この度はじめて、入館料300円の館内へ足を踏み入れました。
何だかすごいゼイタクをした気分。

●「漱石山房記念館だより」という冊子に目をとおすと、夏目漱石はかなりの暴力亭主であったらしい。
神経症をわずらっていたから」とのフォローが入っていましたけれど、やはり家庭内暴力はいけませんね。
亭主たるものは、奥さんの尻にジッと敷かれているべき。

●ちなみに、私が一番好きな夏目作品は「坊ちゃん」です。
能天気な物語のテンポが好きでした。

●それに対して、後期の傑作とされる「こゝろ」はかなり退屈。
しかし、その深刻すぎる作風が……何だかギャグっぽくて、ちょっと笑えました。

●両作品とも、いつかもう一度読んでみたいと思っています。