みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

だみ筆体験

●町田市立博物館企画の「染付体験」に参加してきました。
素焼きの磁器に、呉須(ごす)というコバルト顔料で絵付けをするワークショップです。
講師の小枝真人(さえだまこと)氏は、愛知県立芸術大学准教授。
丸眼鏡をかけたもの静かな人物でした。

●輪郭線などに用いる細筆と、濃淡のにじみを出すための「だみ筆」という太い筆を使ったのですけれど、このだみ筆の使い方がちょっと特殊。
だみ筆にしみ込ませるのは、薄めの絵の具です。
鋒のつけ根を軽くつまむことで絵の具がたれ落ち、それが充分に広がったら余分な絵の具を穂先で吸いとります。
この呼吸が実に難しい。

●なお、用意されていた青い絵付け剤は、線描き用の濃いものと、2gの顔料を50ccの水で溶いたもの、同じく100ccの水で溶いたものの3種類でした。
これらの濃淡は、焼きあげた後でないとハッキリ差が出ません。
また、白磁となる天草陶土の器も、素焼きの段階ではピンク色がかっているので、製作中は完成イメージがつかみづらかったです。

●私はイノシシを描いたのですが、何だかモグラっぽくなっちゃいました。
笹の葉の絵もコンブみたい。
でも、まぁ、目がかすむほどに集中してとり組みました。

●作業テーブルで一緒になった若い女性は、ファンシーな星や花をデザインしていました。
が、終盤、彼女は絵付けした器にひび割れがあるのを発見!
急きょ、新しい素焼きの器をもらい……何と……最初から描き直していました。

●いやはや、気の毒な話。
私だったら、2時間にわたるワークに精も根もつき果てて、ギブアップしたかも知れないな。

●今回のソバちょこと小皿が焼きあがるのは、来年の2月とのこと。
みそかの年越しソバに間に合わないのが、少し残念です。

●今年もわずかとなりました。
来年はどんな年になるのでしょう?
ともあれ……描き直しとなった相席の女性にも……すばらしい作品が届きますように。