みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

玉鋼ビスコッティ

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●両国の刀剣博物館を訪れた門人から「玉鋼ビスコッティ」というおみやげをいただきました。

●玉鋼(たまはがね)とは、古式製鉄法でつくられた極上の鉄。
日本刀などの原材料として使われています。
刃物にされる前の玉鋼は、溶岩石みたいな石ころなのですが、玉鋼ビスコッティは、その外見をたくみに再現したクッキーです。
竹炭を入れて、鉱物らしさを表現したらしい。

●早い話、とうてい食べ物には見えないシロモノなのです。
しかし、米粉をベースにしてアーモンドパウダーなどを練り込んでいるためか、非常に香ばしくて美味。
妻も、「なるほどのぅ。かむほどに米粉の甘みが口の中に広がりますぞ」と深く感心していました。

●なお、綿棒入れみたいな円筒型のパッケージには、「藤原兼房という刀匠が監修した」との文句が並んでおり……そこがややウサンくさげ。
「クッキーづくりに刀匠のチェックは不要だろう?」とケゲンに思いましたけれども、岐阜県のご当地商品らしいので、まぁ地元の鍛冶屋を巻き込んだシャレなんだなと納得しました。

●ただし、価格は90グラムで850円と、かなりお高めです。
刀匠に頒布される玉鋼の特上品でも、1キロあたり8千円強。
つまり、グラム当たりに換算すると、玉鋼ビスコッティは本物と同じか、それ以上に高価なのです。

●それゆえ、2日にいっぺんずつ大事にいただいてきましたが……そろそろシケてきた様子。
鉄は、熱いうちに打て!
クッキーは、乾いているうちに食え!
というワケで、こよい、思い切って完食しました。

●ごちそうさま。