みっか坊主日記 弐(2)

手裏剣(しゅりけん)道場の師範がつづる突発的ダイアリー<続編>

リトグラフ体験

●版画は、凸版画・凹版画・平版画・孔版画の4つに大別できます。
リトグラフは、このうちの平版画にあたります。

リトグラフの考案者は、アロイス・ゼネフェルダーという俳優や劇作家をしていたドイツ人だそうです。
戯曲などを簡単かつ安価に印刷する方法として、油と水の反発を利用した石版画を発明したのだとか。

●先月、キッチンまわりのものを使ってできるリトグラフ講座に参加しました。
講師は、リトグラフ作家の中村真理氏。

●作業としては、まず、サラダ油をひたした筆や油脂の多いペンシル型チョコレートで、アルミホイルに絵を描きます。
次に、そのアルミホイルをコーラに漬けます。
こうして、コーラにふくまれるクエン酸により、油分のない部分が侵食されて版ができるワケです。

●印刷の工程はもっと簡単。
スポンジで版表面に水をのばしてから、ローラーで製版インクをのせます。
そして、紙をかぶせてよくこするだけ。
日用品や食品を使った化学処理のおもしろさに、しばし熱中しました。

●私はカエルを描いたものの……下絵より素朴な仕あがりとなってしまいました。
一緒に受講したわが妻の作品は、三頭身の真っ黒なクマでした。
「アルミのシワが、いい具合に毛なみを表現したッス」と意気揚々。

●「子グマの焼死体みたいだね」と皮肉をいったら、彼女はちょっと考えこみ、黒インクを赤インクに変えた別バージョンも作成。
すると今度は、血だらけのホラーベアとなりました。

●ともあれ、来年の年賀状にも使えそうなノウハウ。
夫婦ともにいい勉強ができました。